ヘッドライト早期点灯研究所

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2016年02月05日

自動車メーカーレポート:メルセデス・ベンツ日本株式会社 製品広報課 嶋田智美さんに聞くヘッドライト早期点灯・ユーザーとのコミュニケーション

「ヘッドライト早期点灯研究所」は、早期点灯の実施に役立つ情報の調査を行うチームです。
以前、ヘッドライト早期点灯研究所で取り上げた、日本自動車連盟(JAF)が行ったテストにもありますが、クルマによってヘッドライトの点灯タイミングは異なります。
その中でも早めにオートライトが点灯すると聞くメルセデス・ベンツ。
今回、研究所メンバーはモータージャーナリストの遠藤イズルさんと一緒にメルセデス・ベンツ日本株式会社が開催する新車発表会イベントに参加し、メルセデス・ベンツ各車に装備されているオートライトをはじめとする早期点灯に対する取り組みなどについて、製品広報課でメルセデス・ベンツのPRに取り組むお仕事をされている嶋田智美さんにお話をいただきました。

メルセデス・ベンツにとって早期点灯は重要な安全対策

研究所:嶋田さんお久しぶりです!クルマのイベントではお会いしますが、こうしてお話をお聞きするのは初めてですね。まずは、メルセデス・ベンツの早期点灯に関する取り組みについて、教えていただけますか。

嶋田:メルセデス・ベンツにとって、どんな国においてもヘッドライトという部品は絶対に必要であるという認識があります。将来的には自動車における事故をゼロにすることを目標とする、「事故なき社会」を目指すメルセデス・ベンツにおいては、クルマ自体が相手から視認される被視認性もとても大切であると考えていますので、早期点灯はたいへん重要な安全対策のひとつです。メルセデス・ベンツのクルマにはオートライトを装備しているのですが、それは、ドライバー(人間)は「ヒューマンエラー」を起こしそれが事故につながるのをカバーするものでもあります。

研究所:メルセデス・ベンツのオートライトは早めに点灯するとよくお聞きしますが、この点灯タイミングは日本だけなのですか?

嶋田:点灯タイミングは世界中で共通です。以前は、日本のユーザーの方からヘッドライトが夕方早めに点灯することに対して「どうしてこんなにヘッドライトが点くのが早いのですか?」というご質問やお問い合わせを頂くことが多く寄せられました。明るい時間にヘッドライトが点いているのは恥ずかしいという意識があったからなのですが、ここ数年の流れではおもいやりライトさんの運動などにもよって、その考え方が変わりヘッドライトのタイミングについてのお問い合わせは減ってきています。

研究所:オートライトの機能に関する件なのですが、どのように周囲の明るさを検知しているのでしょうか?また、そのセンサーはどこにあるのですか?

嶋田:照度センサーはダッシュボードの上に設置されています。

タッチポイントで感じる、リアルな体験と反応

研究所:最近、メルセデス・ベンツは最近積極的にクルマのイベントにご出展、参加されていますね。展示だけではなくイベント会場でテストドライブが出来るなど、多くのユーザーさんへの告知活動もとても盛んになさっております。その理由を教えてください。

嶋田:メルセデス・ベンツの認知度を上げるということ以外にも、お客様との「タッチポイント」を増やすことを大切に考えているためです。これまではメルセデス・ベンツは高価である、成功者が乗るクルマであるというイメージを持たれていた方も多かったかと思うのですが、実際に実車見て触れていただくことにより、カジュアルなクルマであることも感じていただけるようにしています。メルセデス・ベンツというクルマをいろいろな方に紹介するために、「タッチポイント」を設けて一方通行的ではないコミュニケーション、リアルにクルマに接する大事さを心がけています。Face to Faceによるお客様からの反応を知ることができるのも、イベントに参加する理由のひとつです。

PR活動にはパッションを大切に

研究所:メルセデス・ベンツの顔として大活躍をされている嶋田さんがPR活動をされる際に大切にしていることは何ですか。

嶋田:自分自身の情熱、パッションを大切にしています。現在のポジションに就いてから3年ほど経ちますが、メルセデス・ベンツ自体が大きくイメージを変える激動の時期だったこともあり、がむしゃらに頑張ってきました。また、メルセデス・ベンツが発信する発言については、「ワンボイス」にするということを常に心がけています。メルセデス・ベンツのクルマは、お客様にとってはスポーティであると感じる方も、ラグジュアリーであると受け止められる方もいらっしゃいます。メルセデス・ベンツ本社が車種ごとに設定するイメージと、お客様が感じるイメージが異なることもあります。そこで、お客様それぞれのイメージに合わせてそのクルマが持つイメージを変えてPRするのではなく、メルセデス・ベンツからの発言をワンボイスでお伝えするようにしています。

研究所:おもいやりライト運動ではライティングガールが各地のイベント会場を回っているのですが、その中でお会いする嶋田さんは、来場した方々と朗らかでオープンマインドな姿で接しているので、ライティングガールは嶋田さんのことをとてもリスペクトしています。ライティングガールにPR活動をするうえでのアドバイスはありますか?。

嶋田:今のままで十分だと思いますよ!私もそうですが、パッションを大事にしてください。皆様が知らないことをお伝えする仕事ですので、自分が伝えたいことへの「思い入れ」を、それとどんな活動をどうやってがんばっているのかをどんどん表に出してみてください。「この人が言うことなら」と皆様に思っていただけるようになれたらよいとおもいます。

物腰が低く、ですが的確に、そしてわかりやすくお話しをしてくださった嶋田さん。ヘッドライト早期点灯の重要性、安全に対して高い意識を持ってクルマ作りを進めているメルセデス・ベンツについてお話を伺いました。自動車メーカーの取り組みを直接知ることが出来るのは、私たちの今後の活動にとても参考になります。嶋田さんのご説明で、より早期点灯が大事であることを強く感じました。
ヘッドライトは周囲から自車の存在を知らせる「被視認性」への考え方も、おもいやりライト運動が進める、日の入り30分前にヘッドライトを点灯する考えも同じです。今後の取り組みに関しては、おもいやりライト事務局としてもタッグを組んでいければ、と考えています。

車を運転するドライバーのみなさん、道路を一緒に使用する他のドライバーや歩行者のための「おもいやり」の気持ちでもある、日の入り30分前のヘッドライト点灯を、ぜひ習慣にしてください。オートライト機能のあるクルマにお乗りの方は、便利なオートライト機能をON!にして、夕暮れ時の安全に一役買ってくださいね。

●遠藤イヅル(ヘッドライト早期点灯研究所聞き手)
1971年生まれ。東京都在住。
小さい頃からカーデザイナーに憧れ、文系大学を卒業するもカーデザイン専門学校に再入学。自動車メーカー系レース部門の会社でカーデザイナー/モデラーとして勤務。その後数社でデザイナー/ディレクターとして働き、独立してイラストレーター/ライターとなった。現在自動車雑誌、男性誌などで多数連載を持つ。イラストは基本的にアナログで、デザイナー時代に愛用したコピックマーカーを用いる。自動車全般に膨大な知識を持つが、中でも大衆車、実用車、商用車を好み、フランス車には特に詳しい。これまで所有した19台のうちフランス車は13台で、実用車ばかり。現在の愛車はプジョー309とサーブ900。

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