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2014年07月22日

交通安全への熱い思い!LEDマン誕生秘話と岡山県警の取り組みとは 岡山県警LEDマン(岡山市)訪問レポート

 

2013年春、交通安全業界を仰天させたあの「LEDマン」にぜひお話が聞きたい!と、おもいやりライト運動事務局女性3人で、岡山県警察本部へ会いに行ってきました!
県警の執務エリアに伺うと、「お待ちしておりました」と現れたのはLEDマン!LEDマンと岡山県警察本部・交通部参事官の香山直人警視(現 岡山東警察署長)からお話をうかがいました。

知られざる、LEDマンの誕生秘話

―春頃にニュースなどで話題になったLEDマンですが、どのように生まれたのでしょうか?

香山警視  高齢者が夜間歩行中に車にはねられる交通事故が多発し、岡山県警は、夜光反射材を身につけることを呼びかけるキャンペーンを行っていました。しかし交通死亡事故がなかなか減らず、LEDライトや夜光反射材の効果をどうしたらみんなに認知させる良いPR方法はないかと悩んでいたのです。

LEDマン  そんな中、毎年開催されている「岡山県警ふれあいコンサート」で交通安全指導をすることが決まり、「よし!恥ずかしいけどやるわ!」と、LEDライトや私物でやりくりしLEDマンを作り上げました。LEDマンの登場時間は5分だけ。「5分で伝えるにはインパクトが必要。それには光らせるのが一番!」と思ったのです。元々一度限りの予定でしたが、LEDマンを見た県警幹部から「もっとやってみたら」。と言われ、現在に至ります。


―どのくらいの期間でLEDマンが出来たのですか?

LEDマン  たった3日です。仮面ライダーのようなヒーローをすれば注目されるだろう思っていたのですが、なかなか実行できずにいました。しかし、上司にアイデアを話したら「やってもいい。」と言ってくれ、そこからトントン拍子で完成しました。

―岡山の夕暮れ時の点灯状況はいかがですか?

香山警視  オートバイは常備点灯になっていますが、一般の方にはまだまだ早めの点灯は浸透していません。県警では、夕暮れになったら早めにライト点灯と呼びかけています。ボランティアの方も「早めに点灯!」と呼びかけてくださり、徐々に点灯するクルマも増えてきしました。

あなたもライトアップ戦隊LEDマンに!

―LEDマンの人数が増えていく予定はあるのですか?

LEDマン  「ライトアップ戦隊LEDマン」と名付けているのですが、LEDや夜光反射材をつけたり、ライトアップしていただいただいた方は、戦隊の一員です。敵の交通事故を一緒にやっつけましょう!2013年春には、保育園児にタスキをつけてもらい、ミニLEDマンになっていただきました。かわいかったですよ!ポーズしてくれますし。怖かったのか、泣く子もいましたが。

―LEDマンの効果はありましたか?

LEDマン  平成25年の夜間・薄暮の交通事故死者数の比率は、LEDマン実施前の24年より減りました。

―全国的に高齢者の事故が多いようですね。岡山で実施されている独自の取り組みはありますか?

香山警視  岡山県警が実施している高齢者の事故対策で、1万7千人以上に発行している「おかやま愛カード」という施策があります。運転が不安になった65歳以上の方に、運転免許証を自主返納してもらう代わりにこのカードをお渡しし、生活支援をしています。カードを提示すると、県内の路線バスかJR以外の鉄道が半額、協賛車のタクシーの運賃が1割引になるほか、約1700の協賛店でも割引などのサービスが受けられます。

LEDマン  LEDマンも高齢者向けに活動を始めました。高齢者の集まるところに出向いて、「あなたを光らせ隊」をやっています。靴に貼る反射材シールや、夜間に身につけて存在をアピールして頂くための携帯LEDも配布しています。以前はLEDを渡しても、身につけるのが恥ずかしいという方がほとんどでした。しかしLEDマンが知られるようになると、じゃあLEDマンがやるなら、と言って身につけてくれる方もいます。

香山警視  2013年はLEDマンに取材が殺到し、TVでも多く紹介いただきましたが、それでもLEDマンを知らない人がいる。いかに浸透させるのが難しいかが悩ましいところですね。

―早期点灯キャンペーンにも取り組まれていますね

香山警視  「早めのライト点灯」は何十年も前からキャンペーンをやっていますが波及させるのが難しいですね。点灯しましょうと言うだけではなかなか実行してくれない。
交通事故は、加害者になっても被害者になっても不幸になるのです。亡くなった方、志半ばにしてという悔しさ、遺族の方の感情。加害者側は悔やんでも悔やみきれない。この苦悩を一生背負って生きなければならないのです。大きな事故になれば交通刑務所に入るような場合もありますし、免許証が取り消しになる、仕事がなくなるということで、人生が台無しになる場合もあるのです。そういったことを考えてください。安易な気持ちでいたらいけない。車という鉄の塊、便利な道具でも凶器にもなりうるものを動かしているという意識をもっと持たないと。

―クルマの技術者は性能をできるだけ進歩させて交通事故を防止しようとしています。それでも結局事故が起こる背景は「人」にあるのですよね。

香山警視  我々は、日々死亡事故が起きると胸が痛む思いです。どうして?!って、いつもそんな思いになります。

日の出、日の入りのタイミングに合わせて生活を変化すれば事故は減る?

香山警視  高齢歩行者の交通事故が発生した時間帯を見てみると、夜明け前、夕暮れ時に死亡事故が多い。みなさん日の出が早い季節も遅い季節も、同じ時間に行動しているようです。例えば、一年中いつでも朝7時、夜7時に食事、食事の前後に散歩と買い物といった具合です。通院の帰りや農作業を終えて帰ると、夕暮れになってしまって交通事故に遭われています。買い物帰りに特に事故が多いのです。同じ18時でも日の長い夏には明るいけれど、冬は暗いのです。日の出、日の入りの時間に合わせて、なるべく明るい時間帯に散歩や買物を済ませるよう生活習慣を変えてみてはいかがでしょう!
また、どうしても暗い時間帯に外出しなければならない場合は、LEDマンのように夜光反射材とLEDライトを身に付けて、光って目立ちましょう!

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LEDマン、香山警視の交通事故根絶に向ける熱い思いに心が打たれます。
ドライバーに早めの点灯を伝えることで交通事故を減らそうと呼びかけるおもいやりライト運動事務局も、同じく熱い思いを抱いている同志です。安全のために業務の枠を超えて活躍するLEDマンと岡山県警のお話をうかがい、交通事故という敵にこれからも立ち向かって行こうと思いました。
LEDマンの存在を意識する中で、おもいやりライト運動事務局からは2014年5月にライティングガールが誕生しています。今後は、LEDマンとライティングガールの競演?できることを期待して楽しみにしています!

いかがでしたか?もしよければシェアして早期点灯の話題を広めてみませんか?

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