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2013年03月26日

賛同パートナーレポート 横浜編 飛鳥交通神奈川株式会社 井土ケ谷営業所

 

飛鳥交通は東京・神奈川・埼玉・千葉に展開する、タクシーや自動車整備を行い、全体で4000名程の従業員を抱えるグループ会社です。おもいやりライトに賛同くださっているのは神奈川にある2つのタクシー事業会社、飛鳥交通神奈川株式会社と飛鳥交通川崎株式会社です。

例年よりも早い桜の便りにうきうきと心が浮き立つ3月下旬、早くからおもいやりライト運動の賛同パートナーとして活動にご協力をいただいている飛鳥交通神奈川株式会社井土ケ谷営業所を尋ねました。横浜市南区にある井土ケ谷営業所は、127台のタクシーを保有し270名程のドライバーがいるそう。お話くださったのは、所長の新熊雄司さんです。

「特効薬はない。」だから徹底した防止策におもいやりライトが大切!

明るいレモンイエローのネクタイで和やかに迎えてくださった新熊所長は、開口一番、ヘッドライト早期点灯の重要性を語ってくださいました。

「ヘッドライトの早期点灯は本当に大切です。タクシーは公道を利用させてもらって仕事をしておりますので、事故防止については乗務員に徹底して指導しています。」

稼働しているタクシーは昼間でも全車でヘッドライトを点灯するようにと、月に1度行われる研修で指導をされているそう。LEDライトよりも黄色いフォグランプの方が遠くまで光が届き、車の存在がより目立つことから、フォグランプの点灯と「乗ったら点ける」が奨励されているのだとか。

様々な装備を積み自家用車と同じバッテリーで稼働するタクシー。昼間からヘッドライトを点灯していると、バッテリーが上がってしまったり、ランプ自体の消耗も早くなり、所有台数の分だけランプ交換の経費はかさんでしまいます。

「それでも事故が発生したときの悲しみや失われるもの比べれば些細なことです。ランプの経費は保険のようなもの。社長も納得してくれています。とにかく事故は“起こさない”ことが大切。事故防止のために様々な取り組みをしていますが、特効薬はないんですよね。ドライバーひとりひとりの意識を上げ、防止措置を徹底するしかない。」

新熊所長の言葉からは、ヘッドライトの早期点灯が事故防止に直結するという理解と、安全への意識の高さを感じます。おもいやりライト運動にも「事故をなくしたいという目的は共通しています。ぜひどんどんやってください!」と、力強い言葉をかけて頂きました。

“車に私は見えていない”を意識させてくれるサムシングイエロー

日常的に車を運転するタクシードライバーの目から見ると、「ひやり」としたり、「ハッ!」っとなったり、危険なシーンを感じることも多いそう。

「自転車や歩行者は弱者であり、皆さん優先意識をお持ちなんです。車は自分たちを見ていてくれていると無理矢理飛び出してしまったりしますね。それに車は意外と死角が多いもの。パッと死角に入られてしまうと危ないんです。ですから私達は「優先意識を持つな」と指導しています。防衛運転で事故を防ごうと。事故を起こしてしまったら、どっちが悪いもないんですから。」

何かが起きてしまった時に傷つくのは弱者の方。だからこそ、ドライバーはヘッドライトを点灯することで、自転車や歩行者に車の存在を認識してもらいたいのです。車の存在に気がついたら、自転車や歩行者であっても、公道を譲り合い、おもいやりを持って互いにコミュニケートすることが事故を防ぐこと。弱者であっても優先意識を持たず、「車には自分は見えていない。見えるように目立とう」という意識を持つだけで変化がありそうです。

「自転車の方はライトを点けてくださっているとありがたいです。歩行者もリフレクターを身につけてくれたりすると良いですが、やはりスタイルを気にすると思うんですよね。薄くて、軽くて、かっこ良くて、簡単に装着できるリフレクターのようなグッズがあれば、普及できそうですよね。また、そうしたグッズを身につけることで意識が高まるといいと思います。」

以前はご自身もタクシー乗務員として勤務されていたという新熊さんの視点はやはりプロフェッショナル。おもいやりライト運動が推奨しているサムシングイエローが、ドライバーにとって重要だということを改めて確認させてもらいました。

まさかの事故は習慣で防ごう 

「うちの乗務員さんで奥さんを交通事故で亡くされた方がいました。その乗務員さんも月に1度の研修で様々な事故の実態を熟知していますが、身内がそうなってしまうとどうにもと、肩を落とされているんですね。」

年々減少の傾向があると言われる死亡事故ですが、事故発生後24時間以内に存命であれば、それは死亡事故とは扱われず単に事故件数とされるそう。医療の発達が死亡事故の減少に寄与しているという現実もありますが、24時間が経過してから亡くなられる方も多くいるのではないでしょうか。
ですから、単に死亡事故の件数減少を喜ぶのではなく、「1つでも事故件数を減らす」ということが大切です。

「ヘッドライトの早期点灯については、“点けていないと気持ち悪い”となるくらい、くせづけができるといいですよね。」

と、お話くださる新熊さん。例えばシートベルト。義務化されたばかりのころはシートベルトの装着に違和感を感じる人も多かったものですが、今では「シートベルトをしていないとなんだか落ち着かない」というぐらいに普及し、定着してきました。人間の「慣れ」や「くせ」が、定着には有効です。

多くの人にとって、ヘッドライトの早期点灯が“当たり前”になる日はいつでしょう。

時には目的を見据えた発想の転換も

新熊さんからは視点の異なる新しい発想のお話もお伺いしました。

「エンジンを付けたら自動的に車の一部が光るというような何かがあってもいいかもしれません。ヘッドライトぐらいの照度がなくても、LEDでバンパーが光るとか。」

つまりは車の下部が全方向に向けてぼんやりと光ることで、車の接近を自転車や歩行者に知らせるというようなこと。なんだか近未来的でかっこいい! エコで話題のハイブリッドカーが、その騒音の静かさから歩行者に接近を気がついてもらえないという課題にも対応できてしまいそうなアイディアです。おもいやりライト運動では、「ヘッドライトの光で歩行者や自転車に車の接近を知らせる」ことを目的として、ヘッドライトの早期点灯を呼びかけていますが、多くの人に伝えていく、目的を達成していくために、分かりやすさとシンプルさが必要。「エンジンを点けたら車が光る」というのは究極のシンプルさですね。皆さんはどう思いますか? 

タクシーの車体にもしっかりとおもいやリライト運動ステッカーを貼ってくださっている飛鳥交通神奈川株式会社さん。おもいやりライト運動事務局として、ご協力できることがあればぜひタッグを組みましょうとお約束してこの日の取材を終えました。

いかがでしたか?もしよければシェアして早期点灯の話題を広めてみませんか?

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