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2014年07月16日

賛同パートナーレポート:「反射材」がつなぐ、安全へのチャレンジ 株式会社ミツボシコーポレーション

 

1人から始まった「おもいやりライト」の活動が、
企業を動かし、そして大きなつながりへと導いてくれました。

2013年度のおもいやりライト運動で最も大きなイベントは、11月6日に開催した「夕方安全創造会議」でした。このイベントを開催する大きなきっかけを与えてくれたのが、賛同パートナーで、服飾資材の供給とアパレル生産事業を展開する株式会社ミツボシコーポレーションさんです。
のどかな風景が広がる広島県福山市にある、ミツボシコーポレーションさんの本社を訪問し、
代表取締役社長 槙本克司さん、専務取締役の井手一夫さん、
そして横浜での会議にも何度もお越しいただいている本社業務部の木保孝浩さんにお話を伺いました。

ミツボシコーポレーションさんは、独自に反射材をメインにした展示会「MIREX」を2012年、2013年に秋葉原で開催されました。私たちおもいやりライト運動事務局メンバーは、この「MIREX」を体験し、かなり衝撃を受けました。それが、昨年の「夕方安全創造会議」の演出のアイデアにつながったと言っても過言ではありません。

吉井氏との出会いが “MIREX”を生み出した。

―「MIREX」は、そもそもどんなきっかけで開催されたのですか?

井手専務  昔から反射材は、商材としては扱っていましたが、アパレルさんはどこもそれほど興味をお持ちではなかった。すごくデリケートなので、はがれたり、ドライクリーニングや汗で黒くなったりで、使いにくい、使いたくないという声が多かった。

槙本社長  コスト的にも高いものがあった。

井手専務  3年前にドイツで開催されているA+A(国際労働安全機材・技術展http://www.aplusa.de/)に行くきっかけがありました。反射材をつけることで命が救われる、これを使えば助かりますよ、という切り口が欲しかったのです。社員教育にもちょうどよい展示会だと思い、2年前から行くことになりました。行ってみて、早速、A+Aで得たものを社内に生かそうとして、「では展示会をしよう!」と決めたのです。そこで、反射材業界で有名なハイドサイン株式会社の社長で、一般社団法人 日本高視認性安全服研究所の代表理事である吉井秀雄さんの力を借りようとお願いしました。

―「MIREX」は、体験型というところが素晴らしいですね。

井手専務  今までにない、“観て聴いて知る”みたいなものを目指したかった。反射材はいくら文章で説明しても分からない。見てもらうのが一番。1回目の参加者は、直接のお客さんはアパレルメーカーや商社でしたが、吉井さんの意向で最終ユーザー(着る人)を連れてきて伝えるべきだと。メーカーさんに最終ユーザーさんを連れてきてくださいとお願いしたら、警備会社さんなど、来ていただくこともできました。

槙本社長  官公庁の方も見えて、“非常に参考になりました”と言ってくれましたが、そのあとをうまくつなげていけなかったのです。

井手専務  雨が降っているときと、そうでないときでは、反射材の素材によっては見え方が違ってくるので、演出として雨を降らそうとしました。一昨年は、会場に軽自動車を持ち込んでやりました。見て分かりやすいのがよいと、好評でした。見るだけでなく、さらに体験することは、もっと理解を深めることができます。

―おもいやりライト運動事務局メンバーも、これをみて、自転車に乗る時は黒い服を着るのをやめようと思ったし、リフレクターを買い足しました。一昨年、東北の被災地を訪問したとき、街灯が少なく、黒い服を着た自転車がよく見えなかった。私たちも、リフレクターの必要性、高視認性、再帰性反射材の必要性を強く感じています。

井手専務  私たちは、特に学童に必要だと思い、学校の児童向けに反射材服を提案しています。子どもと高齢者にこそ反射材は必要です。実は、学生服メーカーさんは必要だと分かっているけど使い方が正しくないケースがあります。ついているだけで光らない、視認できないものも多いと思います。
学校の先生は必要性に理解あるが反射材についてよく知らないのです。実は安価な反射材をただ着けているのは、全く意味がないのです。

槙本社長  反射材は、質の差も大きく、正しいものを正しくつけないと、遠くから見えないのです。

井手専務  反射材について、一般の方、学校、お金を出す親御さんに理解してもらえるほど活動しないと普及できない。お金を出すのは親御さん、着るのは子ども、決めるのは学校の先生。ここが非常に難しい。反射材が必要、質の良い反射材がいいと分かっていても、安さやデザインの違いで選ばれたりする。ISOじゃないですが「子どもはこれを着るべき」と基準が必要ですが、今の日本にはありません。ヨーロッパでは普及しているのですが。
吉井さんが代表理事を務める一般社団法人日本高視認性安全服研究所(JAVISA)は、「路上作業者の車両事故をゼロにしたい」という思いで発足した団体で、ミツボシコーポレーションも法人会員として参加しています。2013年3月にはISO20471 High visibility clothing(高視認性安全服)のISO規格も発行されました。

―ところで、「MIREX」開催後の反応は?

槙本社長  昨年の2回目は、1回目の3倍くらいのお客様がいらして下さいました。 

井手専務  ISOがどういうものなのか興味があるようです。セミナーもいっぱいだった。

井手専務  ユニフォームアパレルメーカーさんも以前から取り組んでいるところもあるし、これから世の中にもっと出てくるはず。

槙本社長  交通事故は圧倒的に一般の人が多いですね。労働災害は減ってないというけど、これからは高齢者一般の歩行者、子どもにウェイトをシフトさせて、カジュアルな服にも、反射材付けるくらいでないと死亡事故は減らないと思う。

個人的な活動が、会社の活動へと。

―今回、こうしてミツボシコーポレーションさんを訪問することになったきっかけは、そもそも木保さんがおもいやりライト運動にアプローチし、交流するようになったことです。社長と専務は、おもいやりライトの活動を知ったきっかけは?

木保さん  2012年のMIREXの後ですぐに社長に伝えました!

槙本社長  木保君が頑張って社内にも広げてくれていますよ。

木保さん おもいやりライト運動には、これからも個人としても、会社としてもかかわっていきたいと思います。

―事務局では、2012年に開催した横浜シャルソンなど、多くのメディアに紹介していただきました。
木保さんは、カーライフ・エッセイスト吉田由美さんのブログで私たちの活動に出会い、その後の報道などで知ったシャルソンを通じて、「街おこし」にもなり得るとご注目いただいていたそうです。今後は地元・福山で開催されるマラソンイベントに、市内や会社でもチームを作り参加を考えているとのこと。おもいやりライトが木保さんの熱意で広がっていくことが、本当にうれしいですね!

エンドユーザーが興味を持つデザイン性の高い反射材アイテムを開発する!

井手専務 弊社は直接エンドユーザーと商売していないので、その間を飛び越えていくのがなかなかできないのです。商材としてはスポーツメーカーが作った反射材のワッペンをかばんとかヘルメットにつけるなど、少しずつ受け入れられてきた。実は自転車のサイクリングベストを作っているのですが、尾道の瀬戸内しまなみ海道を国際レースのコースにしようという企画があり、ここに反射材を提供したいなと思っているのです。反射材つきのベストはまだなので、かっこいいやつを作れば採用されるかな、と。

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1人から始まった「おもいやりライト」の活動が、
企業を動かし、そして大きなつながりへと導いてくれた。

ミツボシコーポレーションさんという会社を知ったのは、おもいやりライト運動に関心を持った木保さんが、熱いメールを事務局に送ってくださったのが、出会いです。その後、横浜の市民会議にお誘いしたら、遠路はるばるお越しくださった。その後も、個人と事務局という立場での意見交換や近況報告が続き、社内的にも、少しずつおもいやりライト運動の話ができるようになってきたとの報告が。
そして、「MIREX」という反射材のイベントに事務局メンバーをご招待くださり、吉井さんを紹介していただきました。
それが「夕方安全創造会議」へとつながったのです。さらに吉井さんが、住友3Mの三上さんを紹介してくださり、夕方安全創造会議のフレームや映像のイメージが次々とふくらんでいきました。

ミツボシコーポレーション井手専務が吉井さんの心を動かし「MIREX」が生まれ、木保さんが誘ってくださった「MIREX」で、事務局メンバーの心が動き、「夕方安全創造会議」が生まれた。
そして、そこには、本当に多くの「安全」を考える方たちが集まり、アイデアが結集し、新たなつながりが生み出された。
企業が、社会の中での役割を見出すとき、きっと新しい何かが生まれるのだ、ということをミツボシコーポレーションさんのお話の中で感じましたが、そこには、必ず人の顔が見え、そして、それが人を動かしていくということも強く感じました。

反射材を用いた、高視認性安全服にはおもいやりライト運動事務局も大注目し、2014年度のプロジェクトにつながっています。反射材はライトがあたってこそ光り、存在をアピールできるもの。ドライバーの皆さんは早めのヘッドライト点灯をお忘れなく。これからも更なるつながり、発展にご期待ください。

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