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2016年12月07日

創造性ってじつは「おもいやり」? クリエイティブな人のための知的教養講座「P」主宰の橘康仁(たちばな やすひと)さんが読み解く創造性とは

 

11月10日の「いい点灯の日」に続く、11月22日「いい夫婦の日」には、おもいやりの”スイッチ”を入れる人を増やそうとスタートした新ソーシャルアクション企画塾、ラウンジ・スイッチの第5回が開催されました。スイッチトークには、テレビドラマプロデューサーという忙しい仕事のかわらで、クリエイターのために各種業界の第一線で活躍する人を招いてトークやワークショップなどを開催する『P』という活動を仕掛ける橘康仁(たちばな やすひと)さんが登壇。ラウンジ・スイッチでは、「世の中に向き合い、アクションを始める際に必要な創造性が、クリエイティブな仕事のみならず、自分の人生や仕事が楽しくなるきっかけになれば」と、様々な切り口で『P』での活動を語ってくださいました。(『P』についてはこちらをご覧ください。

創造性とはなにかを追求する『P』の原動力は、文系に憧れる理系がキーワード?

ご自身を「文系に憧れる理系」人間だという橘さんは、前職の上司と『愛していると言ってくれ』などで知られるドラマプロデューサー貴島 誠一郎さんが同級生だったことで紹介を受け、「華やかな仕事をやってみたい」と心の片隅で思ったのをきっかけにテレビドラマの世界へ飛び込んだそう。しかし、飛び込んだ先ではすでに何年もその業界で研鑽を積んできた人々がいた。そこで橘さんは、「遅れた分をどうやって取り戻すか」を考え、そのことが『P』を始める発端となったと言います。手探りで始めたので抽象度の高いネーミングにしようと、ポジティブさを感じるアルファベット1文字ということで『P』という名前に決めた、という大胆なネーミングです。現在では『P』を通じて、「感性、才能、センスという言葉に閉じ込められている創造性を解き放ちたい」といいます。転職でまだ見ぬ世界に飛び込んだり、まだはっきりとした形になる前に活動を始め、やりながら活動の本質を見極めたりと、橘さんは自分のスイッチを「ON」する達人のようです。

雑誌やゲームのつくり手にはじまり、医療、色彩、能、世界から見た日本、など分野を横断して展開する『P』

2014年に始まった『P』は、雑誌『クーリエ・ジャポン』やサイバーエジェントなどプロデューサーに「モノをつくる姿勢」を語ってもらうトークイベントシリーズから、「世界に通用するモノやコトの作り方」など、テーマを定めて複数のトークや勉強会を開催しています。「活躍している人の話だけではなく、本質的な学びを得たい」と、奥深いテーマを扱っているのが特徴でしょう。「日本人の気質・歴史・文化と 生き物としてのロボット」、「能に学ぶ表現の”守破離”」といった、魅力的なイベントタイトルが並びます。そしてそこで最も深い学びを得ているのが、企画している橘さんご本人。医師の稲葉俊朗さんによる「東大病院が語る生命の歴史、医療と芸術の未来」では、「クリエイターや芸術家は心に葛藤を持っており、それを昇華させることが創作活動そのもの。つくりての内面の葛藤から生まれるものが、それを観る人の心を震わせる」という話があったりと、橘さんは稲葉さんの言葉に影響を受け続けているそうです。

いま、この時代だから、個人でも本業以外の活動をつくっていける

第一線で活躍する専門家のキャスティングには苦労がありそうにも思えますが、そこはスイッチ「ON」の達人でもある橘さん、苦労はされていないのだとか。なぜならば、「すごい!」と思った人には、すぐにメールを送ってコンタクトを取るから。その人のどこをすごいと感じるのか、一生懸命にラブレターを書くのだとか。時にはお相手が忙しすぎるために返信がない場合もあるそうですが、「現場で何かをつくっている人のためなら」と、快く協力してくれる人がほとんどだといいます。また、「上から目線ではなく、下から目線で人と接するとまた新しいつながりが生まれる」との言葉に会場の皆さんも「おぉ~」と納得の様子。『P』の活動を通じて、自らの専門性を役立てようとポジティブに協力してくださる方や、楽しみに参加くださる方の姿を見て、橘さんは人に対する感謝と尊敬の心をあらたにし、「おもいやりスイッチが入った」と表現されました。スタート時には「イベントやセミナー業界は甘くない」と厳しいアドバイスも受けたと言います。それでも、自分が思い描く場をつくることに貫き、企業や学生向けの1日学校『P』スクールなんて新しい構想まで生まれ、ますます意欲を増しているようです。

創造性は人間ならでは。心にも体にも大切なこと。

後半は、参加者のスイッチマスターそれぞれが、創造性とはなにか? について考えました。出てきた答えには、「溢れ出たもの」「本当にやりたいことを実現できる力」などなど。多様な視点がありました。橘さんは著名人の言葉、「創造性とは人生に対する態度である」(Robert J. Sternberg)など、いくつかを引用し、「問いを愛する姿勢そのものが大事。そして、それがおもいやりなのでは」と話してくださいました。会場にお越しいただいていた医師の稲葉さんは、「創造的に生きていくことが医療の立場でも心身の健康にいいものだし、それが芸術作品になればいい。ならなくても人そのものが芸術作品。」と話します。ゼネラルマネージャーの上田壮一は、「創造性は日常を続けていくこと」と言葉にしました。う〜ん、どなたの言葉も、深い! この記事を読んでくださっているあなたにとっての創造性はなんですか? 創造性を上手に発揮できたら、心身ともに健康で、社会を楽しく変えていく人になれるのかも?

好評のラウンジ・スイッチも残すところあと2回!

次回ラウンジスイッチは、年明けの1月17日を予定しています。登壇するのは「社会科見学に行こう!」を主宰し、昨年放送のブラタモリ長崎編でタモリさんに池島を案内した、見学家でフォトグラファーの小島健一さん。地域にあるものを読み解き、面白く紹介するコツをお伺いできるかもしれません。

ラウンジ・スイッチには、各回ごとの参加も可能です。残すところ2回。まだ間に合います。自分自身にスイッチを入れて、なにか社会に良いアクションを自分から起こしたいという方はぜひご参加ください。

あなたのスイッチを「ON」するラウンジ・スイッチ。心にスイッチが入ったら、夕暮れ時には早めにヘッドライトを点灯して、おもいやりの灯りで社会をちょっと素敵に変えてみませんか?

いかがでしたか?もしよければシェアして早期点灯の話題を広めてみませんか?

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