トピックス

ニュース

2015年01月08日

ライティングガールプロジェクトVol.10 2014日産いわき工場 秋祭り W/中村孝仁さん

 

秋晴れの気持ち良い空気の中、ライティングガールと事務局スタッフは、福島県いわき市にある日産自動車いわき工場で開催される秋祭りに行ってきました!毎年数千人規模の近隣地域の方々があつまる秋祭り。今回、いつも通りに行き交う方にアンケートをとる他、なんとステージに出演もして、こどもも大人も参加できるクイズ形式でヘッドライト早期点灯をアピールしてきました!

 

---------------------------------------
東京の新宿で生まれ、世田谷区で育った僕にとって、モノがすぐに手に入らないとか、不便を感じるということがまずなかった。先日、おもいやりライトのイベントで福島県いわき市の泉という駅に生まれて初めて降り立った。日産自動車いわき工場を訪れるためである。常磐線のスーパーひたちが停車する駅だというのに、駅前には見事なほど何もなかった。コンビニすらも…。

道すがら、タクシーの運転手さんに聞くと、やはり震災の影響を受けたという。さすがに津波は川を遡ったが、それによる大きな影響はなかったそうだ。いわき工場に着くと、メインエントランスには、震災当時の生々しい工場内の写真やその後、復活を祈願した寄せ書き。そして「頑張れいわき」とカルロス・ゴーン氏が直筆で書いた工場の柱と思しきものなどが展示されていた。

このいわき工場でこの日、秋祭りが開催された。工場で働く従業員の家族のみならず、地元の人併せて4000人もが集まる大イベントである。そこでおもいやりライトをアピールしようというのが今回の企画。ライティングガールと共に、夕方何時ごろになったらヘッドライトを点けるのかという例のアンケートをやってみた。それにしてもここの人々の安全意識は高いようで、ほとんどの人が多少のずれはあるものの、夕暮れ時にはすでにヘッドライトを点けているという答えが返ってきた。

トイレに入って驚かされたのは、交通事故を防ぐための安全アドバイスという状況別の対処法などが書かれた貼り紙が、少なくとも男性トイレでは嫌が応でも読まずにはいられない場所に貼り付けられていた。というわけで、綺麗な話ではないが用を足す間に読ませてもらった。そこには「自分がライトに照らされているからと言って必ずしも自動車の運転者が気づいているとは限らない。だから夜の外出には明るい色の服を着て自分をアピールしよう。反射材は大変有効だ」と書かれているのである。これってまさにおもいやりライトそのものではないか。こうした、ある意味徹底した安全意識の植え付けこそ、アンケートの答えとなって表れているのだと気づかされた。

そもそも”おもいやり”とは、思いを遣るという語源だそうで、自分の思いを遣る、即ちその思いを届けるというか、送るという意味だ。つまりドライバーは周囲を思いやって、ヘッドライトを点ける。そこには「自分が見えなくなったから」ではなくて、相手が見にくいだろうからヘッドライトを点けるという精神が存在する。だからこそ、おもいやりライトなのである。ただし、ネットで調べるとすぐに出てくるが、思いやるという行為は時として、思いやった結果相手が不快になるということもあると書かれている。早期ヘッドライト点灯の場合、こちらが相手を思いやってライトを点けても、たとえば対向車はまぶしいと感じ不快になるケースだってなくはないということなのだが、視認性が向上することだけは疑いのない事実なのだから、事故を未然に防ぐという観点からは、寛容に対応して欲しいものだと思う。そして、交通に関わるすべての人々、即ち自動車運転者、歩行者、自転車、バイクのライダーなどがこの思いを共有してくれれば、おのずと事故は減っていくと考えられる。震災を経験したいわきの人々は、このおもいやりの精神が非常に高い意識として行き渡っていると感じられた。

夕暮れ時にヘッドライトを点ける際、とりあえずスモール、というドライバーは多いと思う。事実僕も以前は夕暮れ時にスモールだけをつけていた。しかし、スモール点灯による効果は低く、ヘッドライトを点灯させることが必須なのだそうだ。海外のメーカーのクルマには、ライトスイッチにスモール点灯が出来ないものも存在する。つまりスイッチをひねるといきなりヘッドライトがつくようになっているというわけだ。恐らくはスモールだけの点灯では意味がないことをわかったうえで、敢えていきなりヘッドライトがつくように設計されているのだと思う。こうしたアイデアがどんどん取り入れられると、乗る方のドライバーの意識も変わる。僅か30分ほどいつもより早くヘッドライトを点けるだけのことだ。これからもこの運動はどんどんアピールしていきたいと思う。
---------------------------------------
アンケート調査の結果

ちなみに、今回お聞きした、ヘッドライトを点灯するタイミングについては、
1:日の入り60分前 0名
2:日の入り30分前 2名
3:日の入り直後 8名
4:日の入り20分後 1名
5:日の入り30分後 1名
合計12名の方に回答いただくことができました。
今後もこの調査は続けていこうと思います。クルマを運転する方はオートライトの活用と早めのヘッドライト点灯、歩行者、自転車の方は見られやすくする為の色や反射材の着用を実践してみましょう!

*ライティングガールプロジェクトは車で集まる場所ならどこへでもお伺いします!みなさんの応援やお誘いは事務局までお気軽にお寄せください

●中村 孝仁(ナカムラ・タカヒト)
1952年8月東京生まれ、神奈川在住。
幼くして自動車に目覚め、4歳の時にはモーターマガジンの誌面をかざる。免許取得後、大学時代に、当時解禁されたばかりの並行輸入スーパーカーショップでバイトをし、フェラーリ、ランボルギーニ、さらにはディトナコブラなどをドライブ。また、ノバ・エンジニアリングで『黒い稲妻』のニックネームを持っていた桑島正美選手の丁稚メカニックとして働いた経験を持つ。その後渡独。2年半に渡りドイツで多くの自動車ミュージアムを見て回り、渡独中の1977年からフリーモータージャーナリストとしての活動を開始、今日に至る。モータージャーナリスト歴34年目に突入。
モータージャーナリスト中村孝仁の自動車資料館 ON THE ROAD MAGAGINE
モータージャーナリスト・中村コージンのネタ帳(Ameba blog)
RESPONCE [試乗記]

いかがでしたか?もしよければシェアして早期点灯の話題を広めてみませんか?

カテゴリ

最新トピックス

月別リスト

ライター別一覧

おすすめトピックス