ヘッドライト早期点灯研究所

調査・実験

2014年10月14日

正しく点けていますか?ヘッドライト、スモールランプ、フォグランプ

 

夕暮れ時はもちろん、トンネルを走る時などに使うヘッドライト。
クルマによっても違いますが、ヘッドライトだけではなく、スモールランプやフォグランプといったライト類が搭載されています。点灯を効果的にするためにそれぞれの役割をご紹介します。意外に知らなかった使い方があるかもしれません。

ヘッドライト、スモールランプ、フォグランプの基本を押さえる

以前、オートライトの機能を紹介した時に紹介しました、日産自動車のノートの取扱説明書を見てみると、ヘッドライトのスイッチには4段階に分かれて操作することができるようになっています。

ここでは取扱説明書の文言を使い説明を行います。ヘッドライトは、「ヘッドランプ」スモールランプは、「車幅灯」と書かれていますがそれぞれ同じものになります。

OFF時…すべてのライトを消灯する
①…オートライトをONにする
②…車幅灯、メーター照明、尾灯などの点灯
③…他のランプと合わせてヘッドランプが点灯

以前の記事でもご紹介しましたが、
「①」のオートライトでは、センサーの感知によって制御され、「周囲の明るさに応じてヘッドランプ、車幅灯、メーター照明、尾灯などのランプが自動的に点灯(ノート 取扱説明書より)」します。
「②」は、車幅灯と尾灯のみが点灯されます。
「③」になると、「②」で点灯するライトに加えて、ヘッドライトが点灯する。ということになります。ヘッドライト点灯時には、あわせて車幅灯も点灯するというのはあまり知られていないのではないでしょうか。

フォグランプ以外のライトは1つのスイッチで制御することができますが、フォグランプについては別の場所にスイッチがあり、ヘッドライトとスモールランプとは連動しないライトということがわかります。

また、車種によりますが、メーターにライトの点灯状況が表示がされます。お使いのクルマのメーターの表示についてもチェックしてみると新たな発見もあるかもしれません。
ライトの操作方法に続いて、それぞれのライトの役割についても紐解いてみましょう。

スモールランプは、クルマの幅を示すためのライト

スモールランプは、車幅灯、クリアランスランプとも呼ばれています。このライトは、停車中に自車の存在を周りに知らせるために使用するライトです。
スモールランプとヘッドライトと同じスイッチで切り替えができるので、走行中に周りが薄暗くなった時に使うと思っている方もいるかもしれませんが、その場合であってもヘッドライトを使う必要があります。

次にスモールランプと違うスイッチで操作するフォグランプについても見てみましょう。

フォグランプは、霧の時に効果を発揮するライト。

フォグランプは、前部霧灯(ぜんぶむとう)、補助前照灯と呼ばれており、名前にあるように、霧の時に効果を発揮するライトです。
フォグランプはヘッドライトよりも下の位置に設置されているライトです。
霧の時は水蒸気に周囲が満たされている状態でライトの光が乱反射するため、ハイビームのヘッドライトでは周囲に自車に気づいてもらえにくくなるだけでなく、周りが見えにくくなってしまうことがあります。フォグランプは下向きに点灯するライトのため、霧の影響を受けにくい視界を向上させるライトと言えます。

ヘッドライトはロービーム、ハイビームを使い分けて!

ヘッドライトには、2種類の設定があります。
1つは、ハイビーム。走行ビームとも呼ばれており、前方のおよそ100m先まで照らすことができます。もう1つは、ロービーム。前方のおよそ40m先まで照らすことができます。

ヘッドライトの点灯については、「道路交通法」「交通の方法に関する教則」の定義に基づく必要があります。

道路交通法では、以下のように定められています。

第三章 車両及び路面電車の交通方法 内 第十節 灯火及び合図 内
(車両等の灯火)
第五十二条  車両等は、夜間(日没時から日出時までの時間をいう。以下この条及び第六十三条の九第二項において同じ。)、道路にあるときは、政令で定めるところにより、前照灯、車幅灯、尾灯その他の灯火をつけなければならない。政令で定める場合においては、夜間以外の時間にあつても、同様とする。
2  車両等が、夜間(前項後段の場合を含む。)、他の車両等と行き違う場合又は他の車両等の直後を進行する場合において、他の車両等の交通を妨げるおそれがあるときは、車両等の運転者は、政令で定めるところにより、灯火を消し、灯火の光度を減ずる等灯火を操作しなければならない。
(罰則 第一項については第百二十条第一項第五号、同条第二項 第二項については第百二十条第一項第八号、同条第二項)

交通の方法に関する教則では、以下のように定められています。

2 灯火
(1) 夜間、道路を通行するときは、前照灯、車幅灯、尾灯などをつけなければなりません。昼間でも、トンネルの中や濃い霧の中などで50メートル(高速道路では200メートル)先が見えないような場所を通行するときも同じです。
(2) 対向車と行き違うときは、前照灯を減光するか、下向きに切り替えなければなりません。ほかの車の直後を通行しているときも同じです。

道路交通法等にも定められていますが、ヘッドライトは対向車や前を走行するクルマがいない場合や見通しの悪い場所では「ハイビーム」を使い、すれ違いや前走車がいる場合は「ロービーム」に切り替えて使うと定められています。

それぞれのシーンに合わせたライトの活用を!

今回はクルマに搭載されている様々なライトについて、改めてまとめてみました。意外に知らなかった発見もあるかもしれません。
状況に応じて使うことでより安全に運転することができるようになります。
ちなみに、オートライトはセンサーが周囲の環境に合わせて自動的にライトの点灯を調整してくれますので、運転時のアシストをしてくれることになります。

オートライトの機能を持つクルマを運転する時はオートライトの活用を、それ以外のクルマの方も早めのヘッドライト点灯、実践してみませんか?

この記事へのコメント

  
1
浜口正安 さん(2014.10.14)

おもいやりライト運動を自らも実践し応援しています!
ドライバーが意識する事により少しずつでも安全が確保される事は素晴らしいと感じています。

ただ、前回フォーラム後の懇親会でメーカーの方にもお伝えしたのですが、「夕暮れ時」と一言で言っても人それぞれに判断が異なると思います。ある人は「まだ早い」、ある人は「自分が見えなくなってからでよい」、ある人は「勿体無い(?)」一部の意識している人だけが「もう点けた方がよい」となっているのが日本の現状です。(欧米ではその真逆)

クルマを運転中、具体的に何ルクスで点灯?この季節は何時頃に点灯?等と考える(意識しながら)はもう限界に来ている感が有ります。

海外の自動車メーカーが既に取り組んでいるように、ライトスイッチはAUTOを中心に使って貰うよう推進し、OFFスイッチが無い(=消すという行為が出来ない)構造にする時代が来ていると思います。この活動とリンクしながら、日産自動車は唯一それを推し進められるメーカーだと思います。

但し、悲しいかな日本人は早くライトが点くのを嫌がる人が多いのも事実です。某輸入車ディーラーにも「点灯時期を遅く出来ないのか?」や、「点くのが早すぎるから何とかならないのか?」と一部から言われる事があるそうです。

しかしそのような場合でも、日産自動車は販売店にも呼びかけ、「なぜ早く点くようになっているのか?」説い続け、販売店も顧客に説得させられるくらいの覚悟でやるべきだと思います。それが本当の顧客主義なんだ!と怯む事がないようお願いしたいと思います。

  
2
う゛ぃ(^_-)v さん(2014.10.15)

思いやりライト運動以前から、私は常時点灯です。
もう30年くらいになるでしょうか。

始めた頃はライトの消し忘れと思われて、点いてるよとか言われたりパッシングをされましたが、最近は昼間点灯やおもいやりライト運動が浸透したせいか、全くそういうことはなくなりました。

実際に行っている経験から、バッテリーの寿命が極端に短くなるわけでもありませんし、ライトバルブを頻繁に交換しなければならないわけでもありません。

日没後なのにライトを点灯しない、あるいはスモールランプ点灯だけの、安全認識の低いドライバーの多いこと。

オートバイは既に常時点灯になっているのですから、四輪車もそうあってしかるべきかと思います。

  
3
俄かWUGナー@いずも さん(2014.10.16)

20年近く前だけど、カナダに行った時は殆どの車が昼間でもライトオンしてました。
それに比べると日本はまだまだですね。

自発光メーターが全盛だけどその所為でかなり暗くなってもライトを点けない意識の低いドライバーが増えた気がします。
あと毎日仕事で車を運転してる立場からすると、オートライトの感度が鈍すぎる気がします。
上の方が言われてますが、車のライトも常時点灯にするべきですね。

  
4
おもいやりライト運動事務局 さん(2014.10.21)

●浜口正安 さん
ご意見を頂き、ありがとうございます!
オートライトの設計についてはおっしゃる通り、国内の車種の中でも早目に点灯するようになっています。
現在ライティングガールプロジェクトで各地を回っていると確かに早く点くのが疑問にもたれている方ともお話しする機会もあります。
欧州とは法規も異なるという現状もありますが、ライトの設計思想についても調べてみると新たな発見があるかもしれません。

おもいやりライトととしても早期点灯につながる活動を続けていきますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

  
5
おもいやりライト運動事務局 さん(2014.10.21)

●う゛ぃ(^_-)v さん
ご意見を頂き、ありがとうございます!

ライティングガールプロジェクトでもバッテリーやバルブの交換を懸念されているお話をお聞きすることがあります。
また、長年運転されている方、最近免許を取られた方問わず、「みられるための光」のことを話されると改めて実感いただく。という事も感じています。

早期点灯に繋がる調査にもつなげていければと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

  
6
おもいやりライト運動事務局 さん(2014.10.21)

●俄かWUGナー@いずも さん
ご意見を頂き、ありがとうございます!

欧州では地域によってライトの設計が異なるようですね。
カナダで行かれた地域ではデイライトを実践されているのかもしれないです。

自発光メーターに乗られている方も、昔はメーターが見えにくくなったからライトをつけていた。という話をお聞きすることがあります。こういったことも調べてみるとよいかもしれません。
早期点灯につながるよう情報発信を続けていきますので、どうぞよろしくお願いいたします!

  
7
かずき さん(2015.04.16)

この文読んでオートライトつきの車に乗りたいと思いました。
参考になりました!

  
8
Aksu さん(2015.05.14)

ヨーロッパに住んでいる日本人です。ヨーロッパの車は常時点灯仕様といった話を日本で生活していた時に聞いたことがあるのですが、ヨーロッパの多くの国(イタリア、フランス、スペイン、ドイツ、オランダ、ギリシャ、イギリス、ハンガリー、チェコスロバキアetc...)においては、ライトの常時点灯は、義務ではないそうです。又、ヨーロッパ車でも、ライトの完全消灯が可能な車種が存在します。
因みに僕の住んでいるフィンランドでは、ライトの常時点灯が義務付けられていますが、昼間はDRL(Daytime Running Light)かスモールを点けての走行が認められているので、多くのドライバーは、それらを利用しています。

  
9
take さん(2015.07.08)

おもいやりライト運動を応援しています!
私も、ヘッドライトの夕暮れ前の早め点灯、雨天・曇天時の常時点灯を実践しております。
この点に着目した運動を展開し、車両にもおもいやりライト機能を搭載している日産自動車さんは素晴らしいと思います!
日産車以外に、欧州コンパクト車を所有しておりますが、夕暮れ時や雨天時・曇天時・トンネルなどに入った際など、ライト点灯が必要な状況になると、自発行メーターが自動消灯します。この機能はヘッドライト点灯をドライバーに促し、無灯火走行を防ぐ役割がある様に思います。
一番重要なドライバー自らの安全意識に、車両の安全技術をプラスして交通事故を減らせればと思います。

  
10
トナカイ さん(2015.12.14)

ライト点灯は、状況に合わせて適切に使い分けられることが一番重要だと思います。ドライバーのセンスが出やすく時間帯によっては、無灯火、スモール、ヘッドと分かれるのが現状でしょう。

一番大切なことは、ドライバーが安全意識をもって運転することで、ライト点灯はその一つの手段にすぎません。

私は普段、自転車、自動車、オートバイ、を運転し、犬の散歩も毎日おこなっています。その日常で、自動車のライトは「まぶしい」と感じ、不快に思うことが少なくありません。

明るくて見やすいライトは、対向車や周りの歩行者にとっては「まぶしい」光なのです。平坦な道が少なくアップダウンばかりの田舎では、頻繁にハイビームのような角度でライトの光が飛び込んできます。街灯も少なく、周りが真っ暗なのでより「まぶしく」感じます。

私にとっての思いやりは、スピードを控えることで、それに伴ってハイビームを使う必要を無くすことです。それと、リアルタイムに、状況に応じて一番適切なライトをこまめ使い分けることです。基本は、安全運転で、お互いが気持ちよく生活出来ることです。

デイライトでスピードを出し過ぎている車をよく見かけます。一方で、ライトを点けていなくても安全運転をしっかり守り、無事故無違反のドライバーもいます。

デイライトは、相変わらず車中心の社会の価値観を反映していると思います。スピードを出さない、前方をよく見る、車間距離をしっかりとる。まず、これを徹底させることが先だと思うのですが…これらを徹底させることは現実的には難しいですよね。

その点、ライト点灯は手っ取り早く行え、都合がいいのであっと言う間に普及してしまいそうで、正直 危惧しています。光が分散して眩しい、安物のHIDライトを随分見かけますが、こういった自覚のないドライバーがより問題を深刻化させ、ストレスが溜まります。

  
11
トナカイ さん(2015.12.14)

ライト点灯は、状況に合わせて適切に使い分けられることが一番重要だと思います。ドライバーのセンスが出やすく時間帯によっては、無灯火、スモール、ヘッドと分かれるのが現状でしょう。

一番大切なことは、ドライバーが安全意識をもって運転することで、ライト点灯はその一つの手段にすぎません。

私は普段、自転車、自動車、オートバイ、を運転し、犬の散歩も毎日おこなっています。その日常で、自動車のライトは「まぶしい」と感じ、不快に思うことが少なくありません。

明るくて見やすいライトは、対向車や周りの歩行者にとっては「まぶしい」光なのです。平坦な道が少なくアップダウンばかりの田舎では、頻繁にハイビームのような角度でライトの光が飛び込んできます。街灯も少なく、周りが真っ暗なのでより「まぶしく」感じます。

私にとっての思いやりは、スピードを控えることで、それに伴ってハイビームを使う必要を無くすことです。それと、リアルタイムに、状況に応じて一番適切なライトをこまめ使い分けることです。基本は、安全運転で、お互いが気持ちよく生活出来ることです。

デイライトでスピードを出し過ぎている車をよく見かけます。一方で、ライトを点けていなくても安全運転をしっかり守り、無事故無違反のドライバーもいます。

デイライトは、相変わらず車中心の社会の価値観を反映していると思います。スピードを出さない、前方をよく見る、車間距離をしっかりとる。まず、これを徹底させることが先だと思うのですが…これらを徹底させることは現実的には難しいですよね。

その点、ライト点灯は手っ取り早く行え、都合がいいのであっと言う間に普及してしまいそうで、正直 危惧しています。光が分散して眩しい、安物のHIDライトを随分見かけますが、こういった自覚のないドライバーがより問題を深刻化させ、ストレスが溜まります。

  
12
トナカイ さん(2015.12.14)

ライト点灯は、状況に合わせて適切に使い分けられることが一番重要だと思います。ドライバーのセンスが出やすく時間帯によっては、無灯火、スモール、ヘッドと分かれるのが現状でしょう。

一番大切なことは、ドライバーが安全意識をもって運転することで、ライト点灯はその一つの手段にすぎません。

私は普段、自転車、自動車、オートバイ、を運転し、犬の散歩も毎日おこなっています。その日常で、自動車のライトは「まぶしい」と感じ、不快に思うことが少なくありません。

明るくて見やすいライトは、対向車や周りの歩行者にとっては「まぶしい」光なのです。平坦な道が少なくアップダウンばかりの田舎では、頻繁にハイビームのような角度でライトの光が飛び込んできます。街灯も少なく、周りが真っ暗なのでより「まぶしく」感じます。

私にとっての思いやりは、スピードを控えることで、それに伴ってハイビームを使う必要を無くすことです。それと、リアルタイムに、状況に応じて一番適切なライトをこまめ使い分けることです。基本は、安全運転で、お互いが気持ちよく生活出来ることです。

デイライトでスピードを出し過ぎている車をよく見かけます。一方で、ライトを点けていなくても安全運転をしっかり守り、無事故無違反のドライバーもいます。

デイライトは、相変わらず車中心の社会の価値観を反映していると思います。スピードを出さない、前方をよく見る、車間距離をしっかりとる。まず、これを徹底させることが先だと思うのですが…これらを徹底させることは現実的には難しいですよね。

その点、ライト点灯は手っ取り早く行え、都合がいいのであっと言う間に普及してしまいそうで、正直 危惧しています。光が分散して眩しい、安物のHIDライトを随分見かけますが、こういった自覚のないドライバーがより問題を深刻化させ、ストレスが溜まります。

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