ヘッドライト早期点灯研究所

調査・実験

2016年02月12日

黄色と交通安全の関係

 

「ヘッドライト早期点灯研究所」は、早期点灯の実施に役立つ情報の調査を行うチームです。今回は、各地で行われている交通安全運動。「黄色」の、のぼりを街中に立てたり、「黄色」のジャケットを着た人が街頭に立っていたりする光景をイメージするのではないでしょうか。今回は、交通安全を「黄色」の切り口で探ります。

「黄色」は目立つ色だけじゃない!?

一般的に「黄色」は何かと目立つイメージを持つのではないでしょうか。
黄色に関する内容を歴史から追ってみると、光のイメージと密接に結びついており、「黄金(おうごん・こがね)」という漢字で書かれるように、高貴な色として、中国では古代から黄色は皇帝の色(インペリアル・カラー)と、最も特別な色とされてきたようです。
他にも、女性の甲高い声を示す「黄色い声」のルーツの一説ですが、中国からお経として日本に伝わってきたようです。お経というと一見同じ音やトーンで唱えられるもののイメージがありますが、平安時代までのお経は豊かなメロディがあり、そのメロディを示すのは音符ではなく、文字の横に様々な色の印で表現されていたようです。その中でも黄色は、一番甲高い声を示していたようです。
さらに、イギリスでは古くから「身を守るための色」として黄色が愛され、アメリカでは、「愛する人の無事を願うもの」とされ、父の日の贈り物には黄色いリボンを添えて贈る習慣があるようです。

黄色の持つイメージは、黄色い声のように、「目立つ」だけではなく、目立つからこそ、「希望」「幸せ」「身を守る」と前向きに物事を捉える印象を持つのではないでしょうか。

子どもへの交通安全の思いがこもった黄色

黄色の意味の次は、交通安全の内容についても調査してみましょう。
これから新学期の季節。新小学1年生がランドセルカバー、帽子、ワッペン、バッグなど様々な黄色いものを身につけて学校に通う姿を見かける事ができます。
これらの黄色いものたちはいつから使われ始めたのでしょうか?

・黄色いランドセルカバー
インターネットで調査をすると、各地の交通安全協会や団体、企業等から小学校へ「新1年生が交通事故に遭わないための思いを持って」寄贈している記事や写真を見かけることができました。ほぼ全国的に行われているようです。
・黄色いワッペン
腕につける黄色いワッペンは、黄色いワッペン贈呈事業として、銀行、保険会社が協力体制を取り、実施されているとの事です。その歴史を調べてみると、1965年に交通事故でわが子を失った母親の手紙がきっかけとして始まり、ワッペンには、交通事故傷害保険がついており、交通事故を防ぐ以上の思いが込められているようです。
・黄色いバッグ
ランドセルに入らない道具などを入れる黄色いバッグ。歴史を調べてみると、1963年に交通事故が増える状況を見て、危ないと感じたことがきっかけで考案され現在も広く普及しています。
・黄色い帽子
通学時に被る黄色い帽子。この歴史も調べてみると、1961年頃に交通事故が急増している様子を見て、ドライバーを対象に「赤、黄、青」の見られやすさの実験をしたところ、黄色が一番目立つということがわかり、黄色の帽子を作り、配布を始めたのが始まりとのことです。

ワッペン、バッグ、帽子と多くのものが1960年代前半に生まれたのですが、、自動車が急速に普及し、それに伴い交通事故件数も増え、交通事故死者数が、日清戦争での日本側の戦死者を上回る件数になったことから、「交通戦争」という言葉が当時の流行語になってしまうほど、交通事故は社会問題になっていた背景があるようです。
そのような状況を見た多くの企業や人のおもいやりがきっかけで、今も使われ続けているという事がわかりました。

黄色はおしゃれに身につけて!

子ども向けの黄色いグッズの紹介をしていきましたが、大人も黄色いものを積極的に身につけていきたいですね。コートやパンツ、バッグや靴など、服だけでなく小物に黄色を取り入れてみるのもよさそうです。

ファッションの色のトレンドは、国際流行色委員会にてシーズンごとにトレンドカラーとして、決められているので、黄色が入っている年は黄色い服をよく見かけることができるかもしれません。
黄色い服をなかなか見かけない、、という時は小物を使って黄色をアクセントカラーにしてみると良いかもしれません。
アクセントカラーとは、小さい面積に大きな面積とは対照的な色を配置して全体を引き締める色のことを指します。例えば、補色として、青系のコーディネートに、補色の黄色を合わせたり、明度のコントラストをつけるために、白いものに黄色をアクセントとしたりすると、バランスよく黄色のコーディネートをまとめる事ができます。
これから暖かくなる季節。黄色をうまく取り入れてみてはいかがでしょうか。
もちろん、クルマを運転する方は日の入り30分前のヘッドライト点灯&オートライトの活用もぜひ実践してくださいね!

参考:
■「黄色」は目立つ色だけじゃない!?
・エンサイクロネット(2001)「言葉のルーツ」おもしろ雑学 (PHP文庫)
キヤノンサイエンスラボ・キッズ 光のなぞ 黄色
日本ファーザーズ・デイ委員会
■子どもへの交通安全の思いがこもった黄色
みずほ銀行 社会貢献 黄色いワッペン贈呈事業
横断バッグのミヤハラ
NHK ニッポンのポ 俗語辞典 「第一次」も「第二次」もあった!「交通戦争」
わかやま新報 交通安全の黄色い帽子 発祥は和歌山
■黄色はおしゃれに身につけて!
・桜井輝子(2015)色の教科書 学研パブリッシング
Intercolor

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